街なかかわらばん佐賀

佐賀の街なかで自分らしく暮らす人㉒(富永 茂樹さん)

2019年7月12日


富永 茂樹さん
IL SORRISO(イル ソリッソ)
オーナーシェフ
 
ゲストハウスを2019年秋にスタート
若者が帰ってきたくなる佐賀のために
 
佐賀玉屋の交差点を東へ10mほど進んだところにある「222(ツースリー)ビル」。今回インタビューに答えていただいたのは、このビルの3Fに店を構えるイタリア料理店「IL SORRISO(イル ソリッソ)」のオーナーシェフである「富永茂樹」さんです。この店は佐賀を代表するイタリア料理店と太鼓判を押す方が非常に多い名店の一つ。さらに富永さんはこの222ビルのオーナーでもあり、生まれ育った佐賀の街なかで新プロジェクトを計画中だとか・・・。
 
-ご自身とお店のこと、それと自家農園について教えてください。
生まれ育ったのはこの店のすぐ近くなんですよ。幼稚園はカトリックですし、中学も成章中。佐賀は高校までで、卒業後大阪の調理師専門学校に進みました。その後東京のフレンチやイタリアンレストランを経て、28歳の時に佐賀に戻り今の店をオープン。店のコンセプトは「美味しい料理を食べて笑顔になって帰ってもらいたい」というもので、だから店名もイタリア語で「微笑み」を意味する言葉にしています。せっかく佐賀には素晴らしい食材があるんだから、それを美味しくお客さんに提供したい。生産者の顔が見える、安心できる佐賀の食材に、イタリアから仕入れた調味料を使ってシンプルに調理。こんな具合で「真面目」に料理に向き合っています。
 
自家農園を始めたきっかけは、私自身が「できることは何でもじぶんでやりたい」というタイプだから。やはり料理人なら自分で育てた野菜を使いたいというのは誰でも憧れるものだと思いますし、なかなかスーパーでは西洋野菜などは売ってないので。農園は西与賀にあるんですが、出勤前にたまに様子を見に行っています。去年はトマトが病気でやられてしまったので、今年は雨除けのためビニールハウスを作るなど試行錯誤を続け、獲れた野菜の多くは店で使っています。
 
-富永さんは「写真家」としての一面もお持ちです。
写真と向き合うスタンスはどんなものですか?

写真に接するようになったのは、東京のレストランで働いていた22、3歳のとき。同僚のイタリア人がカメラを担いで外を歩く姿をみて格好いいと思ったことがきっかけです。写真を撮る際は、光の具合と一瞬の表情を特に意識するのですが、思わず取りたくなるシーンはというと、やはり笑顔ですね。例えばお客さんがご飯を食べて「にこっ」となった瞬間、そんな時はいつも撮りたいなって思うんですが、仕事中ですので撮れません。でもそういう写真を並べたら面白い個展ができるんじゃないかと想像します。人物以外では食材はもちろん、有明海の静かな雰囲気が好きなので干潟で野鳥を撮ることも。あと最近、山形で日台合作映画のスチール写真を撮影してきました。この映画の写真展を佐賀でもやりたいと考えていて、現在プロデューサーの方と交渉中です。

 

-富永さんの佐賀の街なかとの向き合い方を教えてください。
街の賑わいを知っている人間からすると、現状は寂しいですね。すぐ近くで買い物をするとなると佐賀玉屋であったり、中央マーケットであったり。昔の街なかは若者がたくさんいましたよね。だからもっと街に若者が来て欲しい。最近呉服元町には頑張っている20代の人達が増えてきています。私自身は、そこからさらに人の流れを作って繋げていきたい。街なかは飲食店が増えていますが、じゃあそれ以外に何が必要か。まだまだ買い物ニーズを満たせているわけではないのが現状。
 
そこで街がこのような状況の中、私はこのビルをリノベーションすることにしたんです。7月に工事をスタートさせ、秋頃に完成する予定です。1階は食をテーマにした交流スペース、2階と3階北側がゲストハウス、そして現在営業している3F南側のレストランはそのまま。「イル ソリッソ」で大事にしているものの延長、それが新しいビルのコンセプトになるかと思います。宿は単なる素泊まりではなく、ゆったりした時間や食事を楽しめる場、佐賀のおすすめの場所を紹介できる場、あと佐賀の農家さんを紹介して収穫体験等もやれる場にしていこうかなと。また駅北の「ゲストハウスHAGAKURE」さんとも一緒に街を盛りあげようと話をしています。
 
今回のプロジェクトを通じて、まずビル全体を活性化させ、その後に人の流れを作り、ゆくゆくは子どもたちが返ってきたくなる街、「佐賀」にしたい。この地域のPTAに深く関わった経験からも感じたことですが、昔は子供がたくさんいたのに、よそに行ってしまった。今は若者が少なくて地域が困っています。でも何もしなかったら「佐賀に帰ってきても働けない、生活できない」ってなりますから。このプロジェクトも「子供たちのため」という想いが中心にあります。これから詳しい情報をSNS等で随時発信していきますので、是非楽しみにしていてくださいね。
(聞き手:庄野 雄輔)
 
[INFORMATION]
IL SORRISO(イル ソリッソ)
☎0952-23-7790
●佐賀市中央本町2-22ツースリービル3F南
●営業時間/11:30〜14:00、18:00~22:00
●定休日/月曜夜・火曜
●駐車場/なし
●HP http://www.ilsorriso-saga.com/
 
【Readyforクラウドファンディング情報】
「佐賀を愛するイタリアンシェフの挑戦。素材の活きたお惣菜×宿泊」
(予定)
●期間:7/18〜8/30の43日間
●目標金額:80万円
●リターンの内容など詳しくは次のURL(Readyforのサイト)で確認してください。
https://readyfor.jp/projects/cosa

一覧へ戻る

市民ライタープロフィール

アバター画像

氏名:庄野 雄輔

街なかの愛の伝道師&街なかかわらばん佐賀の編集長

庄野 雄輔 さんの投稿記事

おすすめホームページ

お問い合わせ