街なかかわらばん佐賀

佐賀の街なかで気になるActivity②【佐賀こども食堂】

2022年9月14日


手渡しするために準備する宮﨑さん。登録者との会話は欠かしません

手渡しするために準備する宮﨑さん。登録者との会話は欠かしません

個人や各種団体など、たくさんの方々のご厚意で食事やお菓子等が集まっています(左)。調理は愛情を込めて!(右)

個人や各種団体など、たくさんの方々のご厚意で食事やお菓子等が集まっています(左)。調理は愛情を込めて!(右)

この日のお弁当の一例(左) 可愛い雑貨もあります(右)

この日のお弁当の一例(左) 可愛い雑貨もあります(右)

6年以上続く「佐賀こども食堂」
大切にしたい多世代間交流の場
 
最近佐賀県内でも子どもの居場所、つまり「子どもたちにとって、家庭でも学校でもない、気軽に立ち寄れて“ほっと”できる場所、地域の子どもと大人が出会える場所」(佐賀県HPより)の一環として、「こども食堂」が増えてきています。こども食堂というのは、地域住民や各種団体などが運営元となり、地域に住む子供や親に対し、無料もしくは安価で食事を提供する場のこと。「こども食堂は、月1回開催のところから365日3食を提供しているところまで、数人を対象としているところから毎回数百人が集まるところまで、実に多様です。目的も、おなかをすかせた子どもへの食事提供から、孤食の解消、滋味豊かな食材による食育、地域交流の場づくりと、さまざまです」(NPO法人全国こども食堂支援センターのHPより)。こども食堂は全国で増加の一途をたどっているようです。
 
もちろん、佐賀市内や県内でもこども食堂の数は徐々に増えてきており、今回はその中でもスタートが2016年からと、佐賀では比較的早い段階から継続的に活動している「佐賀こども食堂」(NPO法人さが市民活動サポートセンターとボランティアスタッフにより運営)について、運営側である宮﨑知幸さんに話を伺いました。
 
「佐賀こども食堂」は、食育の日である毎月19日に勧興公民館で開催されています。元々は、先日解体されたTOJIN茶屋で2016年6月から、約50食分の会食形式での食事提供や子どもの学習支援、食育情報の発信等の活動でスタートしました。当時佐賀市内では「こども食堂」という言葉自体がまだそれほど理解されていなかったため、「経済的貧困の子どもが食事をする場所」というイメージが強く、現在ほど参加者や提供食材の数は多くなかったそうです。そのため、宮﨑さん達は懸命に取り組む中で「こども食堂は地域に必要とされていないのではないだろうか?」「頑張っているのに、なかなか成果が見えない」と悩むときもあったそうですが、徐々に取組みに対する社会の理解が深まり、登録者数が増えていきました。
 
そんな中、2020年4月に会場をTOJIN茶屋から勧興公民館に移したタイミングでコロナ禍に突入し、それまでの会食形式での開催が難しくなることに。しかし、それまでこども食堂を必要としてきた家庭のため、取組みを継続できる方法を模索。なんとか弁当を配布する形式に変更することで、こども食堂のポイントである「交流」も会食時ほどとまではいかないとしても、月に一回は受け渡し時に直接話すことが可能となりました。そして、その後も活動を続けていくにつれて、お子さん同士、親御さん同士のネットワークも生まれ、第三者に話を聞いてもらえる大切な時間、場所として利用されるようになってきたそうです。その後、コロナ禍でも徐々に食堂の登録者数は増えていき、2020年4月時点の16件から11月には25件、2021年には39件、そして2022年8月には44件まで増加。今では当初の三倍近くのお弁当を作るようになったそうです。
 
宮﨑さんがこども食堂に関わるようになった理由は、元々食育、特に「こしょく」「心の貧困」の問題の解決を目指しながら、地域の子どもを育てていきたいという思いがあったからでした。こども食堂が子どもも大人も一緒に食べられる、「地域の公民館的存在」になることで、年配の方や学生など多世代で、地域で一緒になって子どもを育てていけるコミュニティになること、SDGsのメインスローガンである「誰一人取り残さない」世界の実現を、こども食堂を通じて目指しているのです。
 
宮﨑さん達が活動を続ける中では、様々な親子との触れ合いがあります。特にお子さんの成長を見れたとき、例えば好き嫌いがあった子が食堂をきっかけに食べられるようになったという話を聞いたときは、特に嬉しかったそう。また、6年も続けていると、まだ小さい時から通っていたお子さんが今は小学生になって遊びに来てくれるなど、成長した姿を目にしたときも心に強く残っているそうです。
 
もちろん、取組みの継続には課題もあります。例えば、会食中止を余儀なくされ、登録者同士、そして運営側も交えた交流が以前よりも希薄になったことによる「心の貧困」問題。そして、逆に今後コロナ禍からの脱却で会食形式に戻ったとき、コミュニケーションが苦手な家庭や時間の問題で弁当の方が都合が良いといった要望が出てきた場合に、どう対応するかなど。コロナ禍になってからこども食堂に来るようになった方も多くいて、こども食堂=お弁当というイメージが強いケースも多いようです。
 
このように、課題はいろいろ。しかしそんな中でも、頑張っている宮﨑さんと運営ボランティアさん達。「こども達の笑顔、そしてボランティアさん達や食材を提供していただける方々の協力があってこそ、なんとか継続できている」と宮﨑さん。今後も街なかにおける地域コミュニティの大切な場の一つとして、頑張って継続してください。
 
[INFORMATION]
NPO法人さが市民活動サポートセンター
☎080-9102-9746(法人携帯)
 


▲コロナ禍前のこども食堂の様子

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