街なかかわらばん佐賀

街なかで自分らしく暮らす人①(重松 恵梨子さん)

2014年11月24日


重松 恵梨子さん
シアター・シエマ支配人
 

自分がその街に必要とされているかが大切
 

シアター・シエマという佐賀市松原にある映画館で支配人をしています。主な仕事は映画館の運営で、映画の選定、スケジュール編成、宣伝や、映画館での接客も行います。シエマは映画館だけではなく、カフェが併設され、様々なイベントも開催しているので、飲み物や軽食を作ったり、イベントの企画・運営をしたりと、仕事内容は多岐にわたります。
 

私は佐賀市内に住み始めてもうすぐ7年になります。車を持っていないので主な移動手段は自転車で、行動範囲はほとんどが街なかです。転勤族の家に育ったので、福岡、熊本、神戸、岡山、東京と各地を転々としているのですが、その中でも佐賀は特に住みやすい場所だと思います。外から見て魅力的な街というのがありますが、遊びに行くのと住むのはまったく別で、どんな魅力的な観光地があっても、住んでいる人にはあまり関係なかったりします。
 

私も大学を卒業してすぐ、東京に住んでいましたが、新鮮な気持ちであちこち出かけていくのは最初のうちだけで、いつのまにか、よく行く映画館と、落ち着く公園と、近所のスーパーという感じで、自分の行動範囲は決まっていました。そのころから、映画の上映イベントの運営を行っていて、ある日、表参道のおしゃれな通りをイベントのチラシをいっぱい詰めた紙袋を持って歩く自分の姿をショーウインドウで見て、「私はきっとどこにいても同じことをやってるんだろうな。それならどこにいても一緒だな」と感じたことを今でもよく覚えています。その後、縁あって佐賀に住み始めましたが、やっぱり行動範囲といえば映画館と公園とスーパー、佐賀の街なかをチラシの入った紙袋を下げて毎日走り回っているので予想は的中しています。
 

特に若い人にとって、住む場所を選ぶときに大切なのは、そこに自分が必要としているものがあるかよりも、自分がその街に必要とされているかどうかなのではないでしょうか。それは、佐賀の街なかにシエマという場所ができて、そこで7年間働かせていただいた私が実感していることです。
 

今年の4月から、シエマの上映機器のデジタル化を目指す「シエデジ会」の活動をはじめましたが、その中でも、「シエマがなくなっては困る」「佐賀の街なかに映画館があって助かっている」とお声がけいただくことが多々あります。そのたびに、これまで7年間頑張ってこれたのは、佐賀の街で必要としてくれる人たちがいたからなんだな、と改めて感じています。
 

街づくりをする上でやるべきことは様々だと思いますが、若い方が活躍できる場と、その方たちの技術や能力が、そこに住む人たちのニーズとつながる機会を作っていくことがとても大切だと思います。こういう場所があったらいいなと思えるものがたくさんある佐賀は、若い人たちにとって、たくさんの可能性が隠れた街なのではないでしょうか。他の大きな街と比べて、観光する場所は格段に少なく、外から見たら地味なのかもしれないですが、満員電車も坂道もほとんどなく、自然も地産のお野菜も豊富で、そして何と言っても街なかに映画館がある! 佐賀はとても素敵な街だと思います。
 

(Profile)
1983年福岡市出身。学生時代は名画座に通い詰め、カフェなどでの上映会を企画した。都内の映画館、映画祭の運営スタッフを経て、2007年12月、シアター・シエマの支配人に。大手シネコンでは扱わない単館系作品を上映し、街の文化発信拠点として様々なイベントを行っている。

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