街なかかわらばん佐賀

佐賀出身者からの手紙(江島 史織さん)

2013年6月21日


江島 史織さん
書家
 

 東京での生活を重ねていく内に、徐々に佐賀の郷土料理や独自の文化、歴史について知る機会も増えていく・・・
 

私が佐賀を出て上京してから、早12年の月日が流れました。人と出会い、仕事をし、買い物をして、生活を立てて行く・・・自活するという意味では、すっかりこちらの環境に慣れてしまった気がします。佐賀の皆さんから見て、東京はどのような印象の街でしょうか。

 

多くの人が行き交い、様々な仕事や娯楽・文化が集うこの街はとても刺激的で、便利で…私が今、住んでいる地域もある程度大きな街のため、ともすればその周辺から出ることなく生活が出来てしまいます。でも私の場合は、テレビドラマのスタジオ対応やロケ同伴などで関東を中心に出掛ける機会も多く、幸いにも引き篭もることはありません。ただ行く先々で出会う人もまた地方の出身であることも多く、それぞれの郷土の話をしていく内に、いかに自身が故郷のこと、佐賀のことを知らずに生活してきたかを思い知ることもしばしば…。

 

今となってはいささか信じ難いほど、私の小学校から高校までの学生生活は至って真面目なものでした。そのため生活の中心が学校から離れることが殆どなく、元来の出不精と内向的な一面もあいまって、佐賀市内から出る機会も少なかったように思います。そんな私が今では東京に居ながらにして佐賀の皆さんと繋がっていられるのですから、なんとも不思議な巡り会わせです。東京での生活を重ねていく内に、徐々に佐賀の郷土料理や独自の文化、歴史について知る機会も増えていく…振り返るとそんな12年だったように思います。少しゆっくり旅をする機会があれば、敢えて佐賀県内を観て回りたい…そんな風にも考えています。「灯台下暗し」…まだまだ佐賀にも未知の場所や良い物、そしてそれらを彩る素敵な方々がおられるに違いありません。最近では、こちらでも佐賀の話題や佐賀の商品を見掛けることが多くなってきました。そうして佐賀の皆さんの頑張りを目にする度に、私も精進せねばと気を引き締める日々です。
 

その反面、年に数回しか帰ることのない私にとっては、佐賀もどんどん変わっていくようにも感じています。これは佐賀に限ったことではないのですが、全てがその施設で事足りるような大きな商業施設が次々と出来上がり、とても便利になった一方で、昔馴染みの商店は少なくなっているように思います。勿論私もそうした商業施設は利用するのですが、自身の仕事への姿勢も関係しているのでしょうか、お店側とお客さんとの距離の近い、その土地の商店を大事にしたい気持ちも捨て切れません。人と人との温かさや触れ合いは掛け替えのないものです。私の自宅の周辺にも昔ながらの商店街がありますが、量販店で一度に買い物を済ませるよりも、お店の方の活気に惹かれて商店街を巡ることも少なくありません。
 

そんな事を書いていたら、久し振りに佐賀の街を歩きたくなって来ました。次に帰ったときは、少し散策してみましょうか…。皆さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、ふと立ち寄った佐賀のお店の店員さんの佐賀弁に、実は密かに癒されたりしているのです。
 

(Profile)

1982年生まれ。佐賀県佐賀市出身。書家。佐賀北高校芸術コース書道専攻への進学を契機に書の勉強を深め、東京学芸大学・同大学大学院在学中より、テレビドラマの監修に携わる。「東京湾景」(2004.CX)、「不信のとき」(2006.CX)、「シャレードがいっぱい」(2012.CX)では書作品制作とともに俳優への書の指導を担当。「リッチマン、プアウーマン」(2012.CX)の「○△□」をはじめ、テレビ番組内に使用される書作品も多数手掛ける。映画「悪人」(2010)では、初の佐賀弁指導にも挑戦。県内では、三福海苔株式会社、丸秀醤油株式会社、旬菜舎さと山 をはじめとした店名・商標ロゴ・食品ラベルの文字制作、書の実演(パフォーマンス)等に携わる。(敬称略)

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