街なかかわらばん佐賀

「どこか美味しい珈琲が飲めるお店、知らない?」という質問に答えて教えてもらったお店、珈茗爾(かなじ)。今年六月でちょうど創業五十年を迎えた珈琲店です。
 
一歩入ると老舗の珈琲店ならではの珈琲豆の良い香りが迎えてくれます。入り口から伸びるカウンター席と奥にテーブル席があり、お客さんはそれぞれのスタイルでここでの過ごし方を決めているように見えました。決まった時間に毎日のように訪れて本や漫画を読むことが日課の人。数人で訪れテーブル席で世間話をしてゆっくり時間を過ごす人々。飲み会の前にちょっと立ち寄り珈琲を嗜む人。旅の途中で美味しい珈琲を求め立ち寄る人。喫茶店の正しい使い方を知っている人々が日々集い、長い時間をかけてこのお店を作ってきたんだな、と感じ入りました。
 
自家焙煎で淹れた浅煎りの珈琲はもちろんですが、特に暑い季節におすすめなのはモカフロートやバナナジュース、ミルクセーキなどクールダウンしてくれる冷たい飲み物です。私は珈琲好きなので特製モカセーキをいただいてみました。丁寧に淹れられた珈琲で作ったモカセーキはとてもクリーミーで身体をスッと冷やしてくれ、パッとリフレッシュできる一杯でした。
 
自分のタイミングで暮らしに「、(てん)」を打つ。珈琲店でお気に入りの一杯を持つことはそういうことなのかなと改めて思いました。息継ぎなしで走り続けていると慌ただしく過ぎていってしまう毎日に一呼吸入れたり、熱した頭と身体をちょっとだけ冷やす時間を持つのに最適の一杯が準備されています。添えられた小さなお菓子に「大人のためのおやつ時間だよ」と合図をもらった気分で、お話を伺ってお店を出る時には不思議と来る前よりすっかり元気になっていました。
 
ふらりと寄ったお店の珈琲の美味しさに元気をもらうほど豊かなことは、実はそうそうないのかもしれません。ぜひ、街なかでちょっと一息涼をとる時間を過ごしてみてください。
 
[INFORMATION]
珈琲専門店 珈茗爾（かなじ）
☎0952-24-1936
●佐賀市唐人2丁目2-13
●営業時間／11:00〜18:00
●定休日／火曜
●駐車場／なし
 

▲ドリンクに添えられたお菓子

▲珈琲豆は自家焙煎です

▲昔の純喫茶の佇まいそのままです