街なかかわらばん佐賀

変わらない和の情緒、音楽のように調和する甘味【しるこ一平】

2024年7月10日


氷宇治しるこ 税込800円。お茶の香りと冷たい氷が、心も落ち着かせてくれます

氷宇治しるこ 税込800円。お茶の香りと冷たい氷が、心も落ち着かせてくれます

大切に守られてきた古きよき店内

大切に守られてきた古きよき店内

シュガーロード・長崎街道沿いのお店

シュガーロード・長崎街道沿いのお店

昭和6年から佐賀のまちの移り変わりを見つめてきたしるこ一平。のれんをくぐると、時が止まったような気持ちに包まれます。和の情緒感じる小ぶりな木製の椅子・机、壁のあしらい、筆文字のお品書き…、わたしも幼少期(昭和50年代)から親しみのあるお店です。7年ほど佐賀を離れている間も、やはり心の中にありました。元々現在の場所から300mほど東(今のエスプラッツ辺り)に建っていましたが、移転され帰郷後に訪ねたら外観も内装もほとんど違和感がなかったのを覚えています。それもそのはず、旧店舗を「移築した」そうなのです。
 
暑くなるにつれ、恋しくなるのはこの空間でいただく涼甘味。「冷やし栗しるこ」(税込800円)や「ミルクセーキ」(税込700円)など、昔ながらのメニューが揃っていて、どれにしようかと迷います。今回は「氷宇治しるこ」(税込800円)を注文しました。抹茶の濃い緑色が美しく、お茶の風味と氷、なめらかで喉越しのよいこしあん、そしてもちもちの白玉が調和しています。甘党でない方にもおすすめです!
 
この道55年の2代目店主高島良邦さんは「あくまで“しるこや”がつくるかき氷という定義です」と言います。決め手はあんこ。「あんこづくりで大切にしていること?甘くなれ、甘くなれ、って思いながらつくってますよ。でも甘すぎてもかえって嫌味になるから、後味がさっぱりする甘さでね」とのこと。このお店を継いだ当初、先代からはあまり教わらず、あんこを焦がすこともあったそう。塩の分量や小豆を練る時間など試行錯誤したり。感覚を掴みながらだんだん自分流に変化してきたそうです。粒あんは北海道産の大納言を使用。宇治シロップは京都から取り寄せた抹茶を溶いて、白玉は熊本の寒ざらし粉を使って手づくり、と材料選びやつくり方も大切にされています。
 
昔はトランペッターとして活動し、今でも合唱は続けているという高島さん。「まだ当分は営業を続けます!」と笑います。良質な素材と向き合い提供する甘味の一つひとつも、高島さんが一定のリズムで奏でる音楽の一部のようです。さまざまな「甘い一杯」で暑さ忘れるひとときを過ごしませんか。
 
[INFORMATION]
しるこ一平 
☎0952-25-0535
●佐賀市白山1丁目2-20
●営業時間/12:00~16:30(OS 16:00)
●定休日/不定
●駐車場/なし
 

▲笑顔の中にも仕事への厳しさが感じられます
 

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市民ライタープロフィール

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氏名:髙橋 香歩

気ままなママチャリライダー

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